【大和店スタッフ】奥深いトライバルラグの世界

 

皆さまこんにちは、伊東です。

ようやく厳しい冬が終わり、大和店に続く街路樹も満開の桜が咲く季節となりました。

暖かな春の日の訪れとともにヨーロッパからのコンテナ便が到着しましたので、
本日は200枚以上入荷したヴィンテージラグについてご紹介させていただきます。



私はヨーロッパの学校でテキスタイルを学んでいたことや、
琉球絣発祥の地である沖縄県南風原市に自身のルーツを持つことから
以前から生地や織の文化に興味がありました。

自然の中の色味を糸に落とし込み、
左右に綿々と織ることで紡がれる模様には
平面でありながらも奥行きを感じさせる独自の世界感があり、
その土地の空気や文化が織り込まれています。

その中でもユーラシアやアフリカ大陸から来たヴィンテージラグ、
今回入荷した「トライバルラグ」と呼ばれるものは
元来砂漠に住む遊牧民が自家用に織り、生活道具として使用していました。

私たちのように一箇所に定住しない生活スタイルの彼らは
持ち運びに便利なラグに部族ごとの紋様を織り込むことで自らのアイデンティティを示していたのです。

日本とは異なる風土、気候の中で彼らの生活に深く根ざし受け継がれて来たラグには
赤は赤でもサフランのスパイスや砂漠の夕陽を連想させるようなエキゾチックな魅力があり、
豊かな色彩が空間に彩りを与えてくれます。

今回はWEBページに掲載がある商品の中からそのストーリーも含めて、
ピックアップしたものを幾つかご紹介させていただきます。


トルクメン トライバルラグ 1630×930 ヴィンテージ 大和店 (sharkattack.jp)
トルクメニスタンを中心にウズベキスタン、イラン、イラク、アフガニスタンの国々に移住するトルクメン族によって織られたラグ。

ギュルと呼ばれる部族の家紋が中央縦ラインに反復して並んでいるのが特徴。

鮮やかな朱赤とインディゴブルーのラインが美しく、経年によって柔らかく変化したウールの光沢が美しい1点。
細かく織られた繊細な模様など、細部までしっかりとした造りになっています。

エルサリ 
トルクメニスタンと国境を接するアフガニスタン北部でエルサリ族によって織られたラグ。
大きなギュルの紋様に透明感と深みを兼ね備えた赤が美しい1点。
大判で丈夫な造りで面としての揺らぎも感じさせます。

※写真の商品には色落ち/染みがございます。




コーカサストライバルラグ 1400×730ヴィンテージ大和店 (sharkattack.jp)
詳しい部族は不明ですが
ジョージア、アルメニア、アゼルバイジャンといったコーカサス地方のラグだと思われます。

中央のモチーフはコーカサス地方に伝わる太陽紋様を図案化したもので
他にも西洋系の十字模様やユルドゥズと呼ばれる八角星など様々な地方の宗教的モチーフが多用されていることから
部族間での異文化交流によって生まれたラグである可能性も。

おおらかでざっくりした印象が重くなりすぎず、ご自宅などで気軽にお使いいただけます。


トルコキリム
キリムとは毛足の短いウールの織物のことを指します。
キリムやパイルラグには様々な紋様が織り込まれており、多くは動植物や自然をデフォルメしたモチーフが多いのがその特徴。

こちらのキリムには伝統的なトルコキリムの紋様が幾つか見られ、
中央菱形の中には繁栄祈願を意味するエル パルマック(手指・櫛)
縁には幸運予言を意味するクシュ(鳥の羽)など
縁起の良いモチーフが多くご家族で過ごすリビングルームなどにもおすすめです。




プレイヤーラグトライバルラグ 1260×800ヴィンテージ千駄ヶ谷店 (sharkattack.jp)
イスラム教文化圏である中東の地域で祈祷用に使用されていたプレイヤーラグ。
一般的にはシンプルな凸型のアーチ模様が多いのですがこちらはモスクの神殿を連想させるようなデザイン。

鮮やかなレッドカラーが目を惹く1点でタペストリー使いにも。


こうして一つ一つを掘り下げていくと
本当に多種多様な文化的背景を持っていることが分かります。

私のような素人では解読しきれない様々な意味を持つ紋様の数々、
そこには織り手である女性たちの想いなども隠されているのかもしれません。

そんなストーリーを知った上で
インテリアに取り入れてみるのも面白いです。

大和店では本日ご紹介させていただいたアイテムの他にも
数百種類のラグが入荷しております。

お気に入りの1枚と出会いに是非いらしてください。

 

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