Vol.1:未完成が生んだ「奇跡の色彩」—— Panama(パナマ)
私たちがOtto Keramikの作品に惹かれる最大の理由。 それは、工業製品には決して真似できない、あの「生きているような色彩」ではないでしょうか。
今回ご紹介するのは、【Panama(パナマ)】
「存在しない色」を追い求めて
この複雑なグラデーションがどうやって生まれたのか。 制作者であるOtto氏に直接話を伺いました。
実はこのPanama、もともとは「ネオンカラー(蛍光色)」を作ろうとする試行錯誤の中から生まれたものだったのです。
陶芸の世界において、蛍光色を作るのは至難の業。なぜなら、ネオンの輝きを出すための酸化物は自然界にそのまま存在するものではないからです。Otto氏は、存在しないはずの色を再現するために、複数の酸化物を組み合わせ、化学反応の限界に挑みました。
2つの色が重なり、溶け合う瞬間
Panamaの最大の魅力は、イエローからグリーン、そして深いブラウンへと移り変わる独特の色遊び(Farbspiel)にあります。
この色彩は、実は「2種類の異なる釉薬」のレイヤーによって作られています。
・ベースとなる下の層には、落ち着いた「ブラウン」
・その上に、鮮やかな「レモンイエロー」を重ねる
しかし、ただ塗り重ねるだけではこの色は出ません。 焼成の熱によって2つの釉薬が溶け合い、混ざり合う。その瞬間の化学反応をコントロールすることで、本来独立していた2つの色が、Panama特有の神秘的なグラデーションへと姿を変えるのです。
「0.1ミリ」の狂いも許されない手仕事
Otto氏はこのPanamaについて、こう語ってくれました。
「結局、ネオンカラーにはならなかったけれど、この偶然生まれたPanamaの色彩が私はとても気に入っているんだ。ただし、この美しさを出すのは本当に難しい。釉薬の厚みがほんの少し違うだけで、あるいは釉薬に浸す時間が1秒違うだけで、色は全く別物になってしまうからね。」

絶妙な「厚い・薄い」のバランス。 その時々の釉薬の濃度。 まさに、長年の経験に裏打ちされた職人の「勘」だけが頼りの、極めて繊細な作業。
一つとして同じ表情がないのは、それが「奇跡のバランス」の上に成り立つ一点物である証です。
暮らしの中に、職人の体温を
当店では、このPanamaをはじめ、Otto氏の情熱が詰まった作品を、実際の生活シーンをイメージしたレイアウトの中で展示しています。
書斎のデスクに置いたとき。 リビングの柔らかな光が当たったとき。
写真では伝えきれない、Panamaの「奥行き」をぜひ店頭で感じてみてください。 それはきっと、あなたの日常に新しい色彩を添えてくれるはずです。
皆様のご来店を、心よりお待ちしております。
Otto Keramik Tokyo
OPEN 11:00-19:00
TEL 03-5786-3115
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