FDB Møbler , Ejvind A. Johansson
J67 ダイニングチェア
1950~1960's , Denmark

アイヴァン・Ａ・ヨハンソンがデザインしたＪ67チェア

Ejvind A. Johansson （アイヴァン・ヨハンソン）が1957年にデザインしました、デンマークFDB Mobler社製のダイニングチェアJ67です。

座面に向かうくびれや中央に入った2本の切り込みなど幅広な背板のデザインにまず目を惹かれます。

この背板の切り込みは単にデザインとしてでなく、身体をしっかりと包み込む三次曲線を作り出すもので、プライウッドの特性を見事に活かしています。

ダイニングに収めた時も背板のデザインが効いていて、シンプルながら心地よいアクセントを与えてくれます。

※刻印・スタンプ・ラベルと製造年代について
本品の座面裏には「59・10・3」の刻印があり、おそらく「製造年・月・ロット番号」を示すものと考えられます。このことから、1950〜1960年代に製造された個体と思われます。

また、六角形のスタンプは1960年代中頃〜1970年代初頭に多く見られる仕様で、この時期に製造されたFDB Møblerのオリジナル品の特徴です。

FDBのマーキングには、紙ラベル（1950〜60年代）、インクスタンプ（1960年代中頃〜）など、時期によって異なる仕様が存在します。なお、刻印やラベルが見られない個体もあり、これは経年劣化による剥離や消失が原因と考えられます。

FDB Møbler

『シンプルかつ実用的で美しい家具を、リーズナブルな価格で市民に提供する』という理念の元に戦後デンマークにて作られた組合で、ヨハンソンはBorge Mogensen、Poul M. Voltherの後を継いで３代目チーフを務めました。

Ejvind A. Johansson

1922年生まれのデンマークの家具デザイナーです。
特にFDB Møblerで多くの椅子をデザインし、そのキャリアの大部分をFDBの家具開発に捧げました。彼のデザインは、無垢材の特性を活かした温かみのあるフォルムと、人間工学に基づいた機能性を両立させたことで知られています。J67チェアはその代表作の一つであり、彼のデザイン哲学が色濃く反映された作品として、デンマーク家具デザイン史において重要な位置を占めています。

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