皆さまこんにちは、伊東です。
暑い日が続きますがいかがお過ごしでしょうか。
本日は以前も紹介したことのある、モロッコから入荷したラグやクッションについて、製造された地域の説明なども加えながらもう少し深堀りしていこうと思います!
私はイスラムの建築や食文化が大好きなので、モロッコと聞くとローズピンクの土壁やドーム型のモスク、クスクスやタジンといった料理など、魅力的な印象ばかり思い浮かびます。
フランス語圏のモロッコにはデザイナーのイヴサンローランの邸宅があったりと、アフリカ大陸の中でもどこか洗練された雰囲気ですよね。
大西洋に面した北アフリカのに位置するモロッコは、国土の大半を占める砂漠地帯と高地にある山岳地帯から成ります。山岳地帯では冬に雪が降り積もる程寒くなるため、ラグは冬を越すための道具としても用いられてきたのです。
また床で過ごすことの多いイスラムの文化が大きく影響しているモロッコでは、遊牧民族のテントから、邸宅の中庭に至るまで人々が集まる場所には低めのソファやクッションが敷き詰められ、リラックス出来る空間を作り上げています。
そういった意味でも彼らにとっては織りの文化が身近にあります。織り込まれた模様にはイスラムやアラブの文化が交差するモロッコらしい幾何学体が多く使われ、子孫繁栄等の祈りが込められていることも。
また20程のテキスタイルの産地が存在するモロッコでは、それぞれの産地や部族によっても模様やデザイン、色味に至るまで大きく変わります。
【Beni Ourean】
モロッコの「ベニ・ワレン」という地域で織られたテキスタイルの総称。この地域は先述した雪が降る山岳地帯で、ラグは上質な現地産のベージュのウールを使用した厚手で毛足が長い素材が特徴です。また、デザインはブラックやベージュのシンプルでナチュラルな雰囲気が多く、様々なインテリアに取り入れやすいのも魅力です。
【Azilal Rug】
モロッコ中部に位置するAzilal州の部族のテキスタイルです。
1990年代の終わりまで、ほとんど市場で出回る事がなく、あまり知られていませんでした。ベニワレン同様、現地産のウールを使い、天然染料を使用したカラフルな色使いを特徴としています。
ラグに関しては天然の羊毛を使用しているため、使用していくうちに馴染んで行きますが年代の新しいものほど毛が抜けます。
掃除機も威力の弱いものですと故障の原因に繋がる場合がございますので、定期的な天日干しをおすすめします。
天日干して埃や毛を落とすことで、毛立ちが良くなり、使っていくうちに馴染んでいく。
その経過で手をかけていくからこそ生まれる愛着が魅力でもあります。
皆様にもその魅力が伝われば嬉しいです。